名前の由来
モリンガとは、学名「Moringa oleifera Lamarck」のケシ目ワサビノキ科で、 学名は「油を有する」という意のラテン語に由来する。ワサビノキ或いは英名の 「Horse Radish Tree」の名称の由来は、この樹の根・茎・葉が辛みを帯びているのに起因する。 また、この木は俗に「Drumstick tree」とも呼ばれているが、これは種子の鞘が長いことに由来している。 インドでは古くから利用されており、アーユルヴェーダにも取り上げられている。(Sanford2000)
外見の特徴
モリンガは、数年で高さ3~10m、幹の直径10~30cmとなる熱帯早生樹である。 枝は多分岐し、幹は屈曲する場合がある。樹皮はコルク質で灰色又は淡黄褐色で粗雑な繊維を含んでおり 傷つけると白色のゴム質を滲出する。根は塊根状でぴりっとした味のする皮がある。若枝は帯紫白色又は 帯緑白色で、通常軟毛に被われている。葉は2回又は3回羽状複葉で、4~6対の羽片がある。 葉は、節があって早落し、枝の先端に向かってやや集中して着生する。葉柄は長さ4~15cm、 小葉柄は1~6mm、小葉6~11枚、楕円形で0.5~3cm×0.3~2cmとなり無毛又は軟毛に被われている。 直立し広がった長さ8~30cmの円錐花序に白色からクリーム色の芳香のある花をたくさんつける。 小花柄は長さ1~2cmで先端近くに節がある。花弁は5枚で楕円状のへら形をしている。 花弁の長さは1~2cmになり、不揃いで最大のものは直立し、他の4枚は反り返る。おしべは5本あり 不捻性おしべは3~5本になり、どちらも基部に毛がある。花柱は開いた管のある筒状で、先端は切形である。 果実は、、3菱形で、短剣の形をし、垂下する。果実の大きさは、10~50cm×1.5~2.5cmとなり、 種子と種子との間がややくびれている。最初は緑色だが、後に茶色になり、無毛である。 種子は亜球形で三角状になっている。
起源と地理学上の分布
Moringa oleiferaは北インドとパキスタン原産の熱帯・亜熱帯地域にて生育する樹木である。 現在、インドだけでなく、アフリカ大陸・マダガスカル島・アラビア半島・東南アジア・南アメリカに広く 分布しており、帰化した野生のものを見ることが出来る。古い時代に東南アジアに導入され、19世紀に ブラジルで導入され栽培された。また1759年に英国に入り、台湾に入ったのは1910年(明治43年)で 藤根吉春氏がシンガポールから苗をもたらし、紹介された。現在では熱帯の至る所で栽培されており、 人家付近に多い(熱帯植物研究会)
モリンガ(100g)あたりの栄養成分と含有量
たんぱく質(g) | 25 | エネルギー(kcal) | 380 |
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炭水化物(g) | 45 | ナトリウム(mg) | 80 |
カルシウム(mg) | 2900 | カリウム(mg) | 2010 |
マグネシウム(mg) | 500 | ポリフェノール(mg) | 2560 |
ビタミンA(IU) | 34000 | ビタミンB1(mg) | 0.2 |
ビタミンB2(mg) | 2.3 | ビタミンC(mg) | 250 |
ビタミンE(mg) | 90 | アスパラギン酸(mg) | 2000 |
グルタミン酸(mg) | 2500 | アルギニン(mg) | 1080 |